興味の対象を見つけ、自らの意思で動く研究生活を

小林 稜平 (2018年度 博士1年)博士課程

私が応用化学科・専攻を選択した理由として「幅の広さ」があります。進振り当時の私は、「化学に対して何となく興味があって研究をしてみたい。でもこれといってやりたいことは見つかっていない。」という感じでした。  応用化学科に進学してからはまず教科書の知識を学んだり、基礎実験を行ったりするだけでなく、各研究室が行っている最先端の研究も学びます。幅広い研究内容を知るうちに、自分の興味がどこにあるのか気づくことが出来ます。私みたいに、自分が何に興味があるのかを探している人にも適した学科ではないでしょうか。

そして私は現在、野地研究室でATP合成酵素の触媒機構の研究を行っています。野地研の専門分野は「生物物理学」です。応用「化学」なのに「生物」と「物理」、なにか不思議な感じがしませんか? でも、研究の現場では複数の分野を組み合わせてものごとを理解しようとすることはよくあることです。実際私たちは、データ解析に必要な統計の知識を学んだり、実験に必要な工学的なデバイスを作製したりもしています。科学の面白さは、自らの興味からうまれてくる科学的な謎について、あらゆる手段を用いながら解決に結びつけていくところにあるのではないかと思います。

研究生活は決して楽しいことだけではありません。ですが応用化学科は、化学に興味を持つみなさんにとって十分な設備、研究内容がそろっていると思います。自らがよく考えて主導的に研究生活を送れれば、研究者としてだけでなく社会人に必要な能力も備わるはずです。せっかく貴重な時間の中で研究に時間を割くわけですから、「何かを学ぼう、身につけよう」という意思をもって一緒に研究しましょう。おもしろそう、やってみたいと思ったことにチャレンジできるのは学生生活だけだと思います。化学っておもしろそうだな、応用化学科に進学してみたいなというみなさんをお待ちしています。