西林研究室の宮崎 朋幸さん(M1)と砂田研究室の菅 雄翔さん(D1)が第70回有機金属化学討論会において「ポスター賞」を受賞しました。
【題目】
Unique Reactivities of Molybdenum–Nitride Complexes with Ketenes toward Direct Conversion of Dinitrogen to Amide
(東大院工)宮﨑 朋幸・杉野目 駿・西林 仁昭

【発表概要】
これまで、医薬や繊維産業において非常に有用な含窒素有機化合物を工業的に合成する際には窒素源として、高温高圧のエネルギー消費量の多いプロセスを通じて生産されたアンモニアが用いられていました。今回我々は、炭素源並びに窒素ガスから有機金属錯体を用いて温和な反応条件下で含窒素有機化合物を触媒的に合成する反応について報告しました。今回の成果は持続可能な社会を実現する上で大きな成果であると言えます。
【今後の抱負・感想】
今回の受賞は、日頃からご指導いただいている先生方のご助力あってのものであり、深く感謝申し上げます。この受賞を今後の研究の励みとし、より一層精進し参ります。
【題目】
Reactivity of Bis(silyl)iron Complexes toward Carbon-Heteroatom Double Bonds
(東大院工・東大生研)菅 雄翔・砂田 祐輔

【発表概要】
遷移金属と炭素の二重結合を有するカルベン錯体は特異な反応性を示すため、オレフィンメタセシス反応やフィッシャー・トロプシュ法などの産業的にも重要な反応において必要不可欠な存在です。しかし、カルベン錯体の合成法は限られており、カルベン化学の発展に向けて多様な合成法の確立が求められてきました。今回我々は、2つの鉄–ケイ素結合とカルボニル化合物との反応で、単離可能な鉄カルベン錯体が合成可能であること、およびその反応機構に関する検討結果も併せて報告しました。
【今後の抱負・感想】
修士課程の頃から取り組んでいたテーマが評価され、大変光栄です。砂田祐輔教授をはじめとする研究室の皆様に感謝致します。ケイ素の反応性を活かして鉄錯体の世界をより広げていけるよう邁進して参ります。