2019年度 卒業証書・学位記伝達にあたっての祝辞
皆さん、卒業おめでとうございます。社会に出る卒業生にとって、また次の課程に進む卒業生にとっても大きな門出です。大変残念なことに、今年は新型コロナの対応のために卒業証書・学位記伝達式を行えません。その代わりに、皆さんの門出を祝福するためにささやかなメッセージを送ります。
新年明けてから広がったこの感染症は、今や世界で加速的に拡大しており、今世紀最大のパンデミックになる可能性があります。しかし、私は悲観していません。人類は間違いなくこの感染症を制御・克服する方法論を見出すでしょう。今回の新型コロナに限らず、新興感染症のパンデミックは今世紀に入って数回起こっており、社会衛生上の脅威となっています。 これに加え、エネルギー問題、資源問題、環境問題など数多くの社会的課題も蓄積しています。これから社会に飛び出す卒業生の中には不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、いつの時代にも深刻な社会課題は存在し、人類はそれを様々な方法で克服してきました。皆さんにとって、これまでとの違いは、皆さん自身がこれらの社会的課題を克服するキープレーヤーになるということです。そして、その使命があるということです。皆さんは、 応用化学科・応用化学専攻で「新しい化学を創造し、課題を解決する」ことを実践してきました。多くの皆さんにとって、その過程は決して平坦ではなく、大変な苦労や努力を伴うものだったと思います。だからこそ、今日皆さんが手にする卒業証書・学位記には価値があります。皆さんには、是非、身につけた「化学で課題解決する創造力」を次のステージでさらに磨き上げてほしいと思います。
皆さんの努力を間近で見てきたものの一人として、皆さんに最大のエールを送ると共に、 皆さんの活躍を心から願っています。ここから大いに羽ばたいてください。世界は、皆さんの活躍を待っています。
2020 年 3 月 24 日
2019 年度応用化学科⻑・応用化学専攻⻑
野地博行
